【たけなわ】
文 小池玄一郎
秋の谷間 曇天に光「…あれ?」
教会の扉が開き
新婦に寄り添う 親父さんの歩み
緊張と感情が激しく渦巻く無表情
カチコチ、右足、左足、
胸を打つ早鐘に、つまらん陶酔なんぞ入り込む余地も無し
たとえ端から滑稽でも、その真摯な姿勢は笑えない
次々と
傾けられるビール瓶 あおられるグラス
甘んじて
いじられ役を引き受けて 胸を張る新郎の姿に感嘆!
炭酸の効いたシャンパンで
乾杯!