【サウンドオンリー】文 小池玄一郎

冷たさに後押しされてくっつき合って
白い息を吐く二人

離れろよ
君のファンデがくっつくから

寂しいよ
電車の見送り 一人きり

めんどくさいのとかけがえのなさ
電話ごしの距離がいちばん盛り上がる不思議はきっと闇の中
じゃなかった
程良いバランス 気楽な間合い 当然の結果で
いけないな ベストポジションがこれじゃ

長続きしちゃうぞ

決定的瞬間に走るノイズ乱れる画像
そこに偶然映り込む君の姿に叫べるのか?
わからない
いつもどこか歪んでて
いまもどっかに補正をかけて 向き合ってるつもりさ君と
君も

声だけで