【冬の終わり、春の辺】
文 小池玄一郎
雨の上がった土手に吹く、
コートのボタンをほどく風。強くて温む流れにゆれる、
いつの間にこんな緑!
砂利を踏むスニーカー。今よぎった影は魚?この川に沿って
行くと 何かよい場所へ行けそうな。
雨水を吸った枯れ木の 今にも芽吹きそうな感じとか、
雨粒を乗っけたクローバーが薄陽に柔らかな感じとか、
君に見せたいな。
淡く染まる景色、泡になって消えそうな…
歩きすぎて足が痛いよ。
君はどこにいるんだっけ。