【赤いコード】
文 小池玄一郎
クライマックスはいつだって突然僕らに訪れる。
たとえば、そう
新種のドラッグが開発され、末期的な君が劇的に回復する。
そして
クライシスだって唐突に、名も無き僕らに降りかかる。
新種のウイルスが発生し、世界中にマンエンする。
瞬く間に画期的な世界。
クライマックス?
クライシス?
泣かないで
いつだって君は
下唇を噛んで
そうやって世界を
渡る
ざぶざぶと
絡み付くコードを振りきって
君は
渡る